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物件の探し方は人それぞれです。
楽待や健美家等の収益物件サイトをこまめにチェックする方もいるでしょうし、信頼している業者から回ってくる情報のみを見て判断される方もいるかと思います。
ただ、どちらにしても、提示されている物件価格が割高なのか割安なのかを把握することは不動産投資で失敗を防ぐために非常に重要です。
物件価格が割高か割安かという判断をするためには多くの情報が必要ですし、何を基に割高か割安かを判断すれば良いかということも曖昧な方が多いと思います。
そこでお勧めしている1つの方法が、表面利回りの分母になっている年間家賃収入から算出できる坪賃料を活用して物件価格の適正性を見抜く手法です。
コンテンツ
部屋当たりの賃貸可能面積を算出する
収益物件サイトや不動産業者が出してくる物件情報の中には、必ず年間想定家賃収入の数字があります。その数値がないと、表面利回りが計算できないためです。
この数値を建物延べ床面積で割ると、建物全体の延床面積に対する㎡あたりの家賃収入を算出することができ、明らかに計算の根拠になっている家賃収入の数値が高い場合、もしくは低い場合は分かります。
しかし、厳密には賃貸として貸し出すことができる賃貸可能面積で想定家賃収入を割る方が、物件価格の適正性をより正確に判断することができます。
不動産投資家の間では、この建物全体の延べ床面積に対する賃貸可能面積の割合をレンタブル比と呼んでいる方が多いです。このレンタブル比は建物によって異なります。
例えば、不動産投資の対象になりにくい高級分譲マンションのような豪勢なエントランス、部屋以外の共用スペースが広い分譲マンション等に関しては、レンタブル比は低くなります。
一方、よくある都内23区徒歩10分以内新築木造アパートのように、狭い面積で最大限の収益性を上げられる物件を建築している場合は、共用スペースやエントランス等の収入に直結しない面積を出来る限り削り、部屋として貸し出せる面積を広めるようデザインしていることが多く、レンタブル比は高めになります。
このレンタブル比は高ければ高い方が良いという訳ではなく、低すぎても収益性物件の外観が悪くなってしまうこともあり、建築会社や使用用途によって適正割合の判断は異なるのですが、不動産投資家が買うような1棟マンションやアパートは90%以上のことが多いというのが個人的な感覚です。
従って、レンタブル比が分からない場合は、建物の延べ床面積に90%を掛けて、戸数で割るとおおよそ1部屋当たりの面積が出ます。まずはこの面積を求めることが第一です。
物件価格の構成要素になっている坪家賃を把握する
部屋当たりの面積を求めると大体間取りが分かります。
例えば、都内では1億円以下の収益物件で、1部屋当たりの平均賃貸可能面積が30㎡を超えるような物件はあまり見たことがありません。つまり、ワンルームや1K、1DKが多いということです。
そして、想定年間家賃収入を12で割り、1か月家賃収入を求め、それを賃貸可能面積(㎡)で割り、その数値を0.3025(㎡→坪換算)で割り返すと坪家賃を算定することができます。㎡あたりの家賃で把握することも可能ですが、不動産業者や不動産投資家の方々は坪換算して話をすることが多いので、坪賃料で把握しておいた方が良いかと思います。
この数値を見るようになると地域によって、物件構造によって、築年数によって、坪家賃の相場感覚が養われていきます。
例えば、都内23区であれば、通常は埼玉県より高くなります。しかし、坪家賃が高い物件が、坪家賃が低い物件よりも優れているということにはならないことにご注意下さい。
坪家賃が高い物件の方が、坪家賃が低い物件よりも高く売り出されているため、この数値自体で判断は出来ません。
また、それぞれの地域によって適正値は異なります。
それを調べるためにSUUMO等の賃貸物件募集サイトが参考になります。
SUUMO等の賃貸相場チェッカーを活用して物件価格の適正を把握
SUUMOに載っている物件はまだ入居者が決まっていない部屋なので、必ずしも全ての掲載物件の家賃が適正かと言われるとそうではないですが、参考にはできます。僕はSUUMOの賃料・相場チェッカー(ホーム|SUUMO賃貸経営サポート (suumo-onr.jp))を使って調べることが多いです。
例えば、購入検討物件の坪家賃が16,000円だとします。
一方、SUUMOの賃料・相場チェッカーで、同じ間取り、同じ最寄駅、駅徒歩もほぼ同じ、築年数もほぼ同じという条件の坪家賃の平均が8,000円だった場合は、注意が必要です。物件価格が吊り上げられている可能性が高いです。
多少の誤差があるのは致し方ないですが、さすがに2倍の差異がある場合は、売主に質問をすべきです。その回答に合理性があれば良いですが、不明瞭な回答をしてきた場合は、家賃収入の金額を操作している可能性もあるので、坪家賃が相場より高くなりすぎていることを証拠に物件価格の値下げ交渉をしましょう。
逆に、購入検討物件の坪家賃が、SUUMO掲載の同条件物件の坪家賃よりも著しく低い場合は、実際の利回りは売り出されている利回りよりも高くなる可能性があり、割安価格で物件を購入できる可能性があります。
ただし、坪家賃が低くなっている原因は調査する必要があります。
その原因となっていることを自分で改善・管理できるのであれば、購入すべきですし、ネガティブな理由があり、そのネガティブ要因を自分で改善できない場合は購入を控えるという判断をすべきかもしれません。
ちなみに、仲介業者からこの坪家賃が提示されることは少ないです。
従って、坪賃料を自分で算定する癖をつけ、物件価格の適正性を見極め、割高な物件を購入して不動産投資で失敗する可能性を排除していきましょう。
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