不動産投資と人口減少

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一部の書籍やインターネットの情報を見ていると、東京23区であれば利回りは低いかもしれないが、賃貸経営は易しいという情報もあります。

しかし、将来的には東京都の人口でさえ減少傾向に転じるため、東京23区であればどこで不動産投資をしても高い稼働率を保てるかというとそういうわけでもなくなっていきます。

本日はこの人口減少と不動産投資を始める立地についてお伝えしますが、人口減少及び人口増加だけで不動産投資の対象エリアを決めることは得策ではないと思います。

コンテンツ

東京23区でさえ人口減少していく日本

最近コンパクトシティという言葉をよく聞きませんか?

コンパクトシティとは、

「機能を中心部に集めることで、マイカーに頼らず、公共交通機関や徒歩で暮らせる街」

という定義がなされています。

つまり、東京23区であれば徒歩15分~20分程度であっても、賃貸需要がある地域が多くあります。しかし、今後は人口減少していくため、公共交通機関から近い立地により人口が集中していくということになります。

不動産投資では動かない資産に投資します。従い、立地が非常に重要ということは皆さんのご想像通りですが、東京23区をはじめとした都内近郊であれば、どこで不動産投資を始めても、大けがをする可能性は低いといった思考は改めた方が良いと個人的には考えています。

コンパクトシティの定義では公共交通機関とありましたが、私は東京23区で最も多くの人が利用する交通機関は間違いなく電車であり、最寄駅からの徒歩距離がどの程度か?というのが、今後更に重要になっていくと考えています。

最寄駅より徒歩距離が近い立地は、最寄駅より徒歩距離が遠い立地と比べると利回りが低くなる傾向があります。しかし、不動産投資後の空室率や売却を考えると、多少利回りが低くなったとしても、利便性の良い最寄駅付近の立地で不動産投資をするというのが僕の大きな投資方針です。

ちなみに、ここでいう最寄駅付近というのは、出来れば徒歩5分以内、遠くても徒歩10分以内と僕自身の中で決めています。

人口減少しているエリアでも重要な「賃貸需要」と「貸家供給」の原則

不動産投資で購入物件の立地を選ぶ際に何を注意すべきかと言うと、「賃貸需要」と「貸家供給」のバランスです。

どんなに有名な場所であっても、既に多くの住居があり、そこに住んでいる方と住もうとしている方の合計世帯数よりも大きく上回っているのであれば、必然的に空室リスクが高くなります。

東京23区では多くの住居建築がされていますが、一方でコロナ影響で東京都23区からの転出者が増えており、都心ほどく空室が埋まりにくくなっているという現状があります。この状況は一時的だと言われていますが、立地が良くても「供給」が「需要」を上回っている状況だと空室リスクが高くなってしまう1つの例だと思います。

では、どのようにして「賃貸需要」と「貸家供給」のバランスを調査すれば良いかということですが、僕は以下の方法をベースに調査をするようにしています。

  • 人口流入超・流出超の視点

・総務省統計局データ(都道府県別)
・市町村のHPに発表されている人口推移、世帯数推移のデータ(人口より世帯数重視で見る)
・駅別乗降客数

  • SUUMO等の賃貸物件検索サイトを確認する

・敷金・礼金の設定が2・2であれば、大家優位。1・1であれば普通。0・0であれば、競争が激しい地域。
・物件間取り別の掲載物件数及び入居希望者の閲覧数のバランスを確認し、「賃貸需要」と「貸家供給」のバランスを確認。

  • 地場の不動産屋さん(賃貸仲介業者)にヒアリングを行う。

・1つの業者のみだと情報が偏る可能性もあるので、複数業者にヒアリングを行い、客付けが厳しいエリアなのか?それとも客付けしやすいエリアなのか?確認する。その際に、可能であれば、広告費の相場を確認し、家賃2か月以上の広告費相場であれば、客付けが簡単なエリアでないことを想定。

上記に加えて、インターネットで不動産投資を始めようと考えている地域の名称を検索するとWikipediaで必ず情報が載っています。そこにある情報も意外と役に立つことが多いので、是非活用いただければと思います。

人口減少しているエリア=空室リスクが高いエリアとは言い切れない

いずれにしても、不動産投資で必ず儲かるエリアというのはありません。物件種別、駅徒歩距離、購入検討エリアの中での細かい地域特性等の組み合わせで空室リスクは変動します。

今は情報が溢れており、何が本当の情報なのか?どの情報を参考にすればよいのか?ということに悩みを感じている方も多いかと思います。

例えば、A区全体の人口は減少しているものの、A区の中のBエリアは人口が増加しており、かつ、貸家供給が賃貸需要に比して少ないので、空室リスクが低いということもあったりします。不動産投資ではマクロでおおまかな傾向を把握しつつも、それをミクロの視点に落とし込んで検討していくことが必要です。

また、今日ご紹介した情報ソースは誰もが無料で使用することが出来ます。自分の目線に合う物件を発見し買付を出すまでは、優良物件であるほど短い間での決断になります。なぜなら、誰もが良いと思えるような物件は多くの人がすぐに買い付けを入れてしまうからです。

日ごろから情報を使って調べる癖をつけておき、一般論に振り回されない自分の不動産投資戦略を持ち判断できるようにしましょう。

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