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賃貸経営をやっていて常時満室で運営できるということはあり得ません。いつかは入居者が退去するので、その度に空室対策をする必要があります。
それは言っても、入居者から解約通知の連絡があり、1か月後から家賃収入が途絶えると分かると大抵の大家は良い気分にはなりません。
しかし、解約通知を受けた時は落ち込むのではなく、次の入居者をより良い条件で獲得するためのチャンスと捉え、大家として初動を早くした方が結果的に賃貸経営の安定性は上がります。今回は入居者より解約通知を受けた時に賃貸経営として行うべき空室対策の初動をお伝えしていきたいと思います。
コンテンツ
賃貸経営として把握しておくべき空室対策のスケジュール
まず、最初に賃貸経営としてすべきことは具体的なスケジュールを立てることです。
設定すべき主なスケジュールは以下の通りです。
- 現入居者の退去日
- 家賃設定のスケジュール
- 地場の賃貸仲介会社への空室対策のお願い時期
- リフォーム期間
- 次期入居者の目標入居開始日
まず、1の退去日は解約通知の連絡を受けた時に明確になるはずです。
管理委託をしているのであれば無料でその会社が退去立会いをしてくれることもありますが、自主管理の場合、リフォーム業者等に退去立会をお願いする必要があります。
また、2に関しては、無計画に設定している大家の方が結構いますが、空室対策のスケジュールを立てる段階で家賃設定のスケジュールは決めておいた方が良いと考えます。
家賃はいったん下げてしまうとなかなか上げにくいという性質があります。
従って、現入居者居住中の期間は強気の家賃設定で様子を見る方が良い場合もあります。
1か月程度様子を見て、反響が全くないようであれば、若干家賃を下げるタイミング等のおおまかなスケジュール及び1回あたりの家賃を下げる金額をイメージしておきましょう。
例えば、現入居者の家賃は10万円、相場は10万5千円なので、ちょっと強めの11万円で最初は設定して、現入居者退去後1か月経過してもほぼ反響がない場合は5000円下げて、相場の家賃下げる等のスケジュールの事を指しています。
3については次の章、4については最後の章で詳しくお話したいと思います。
そして、5は目標とする次期入居者の目標入居者開始日です。
大家の力でどうにもできない部分があるのは事実ですが、空室対策のゴールは新しい入居者を獲得することです。
従って、ゴールの時期は決めておくべきだと個人的には考えています。
ゴールを決めると、その日に入居開始するためにはリフォームをいつまでに終わらせれば良いか?家賃設定をどういったスケジュールで変えていくべきか?空室対策をお願いしている賃貸仲介会社(以下、仲介会社)にどう接していけばよいか?という賃貸経営でやるべきことが見えてきます。
あとは決めたスケジュールをベースに動くだけです。
何事もそうですが、まずはおおまかな計画を立て、解約通知後の大家としての初動を早めにとることが空室対策の成功(=空室期間の短縮)につながっていきます。
入居者募集のお願いを直接行うことによる空室対策効果アップ
解約通知を受けたら、大家自身で仲介会社へ入居者募集のお願いをすると空室対策がより効果的になることもあり、電話でも可能な入居者募集のお願いを仲介会社が忙しくない時期にたまに訪問して行うとより募集に力を入れてくれる業者もあります。
入居者募集のお願いする仲介会社は、出来る限り物件の最寄駅付近もしくはその最寄り駅近くのアクセス駅付近にある仲介会社にすることをお勧めします。
空室となった物件エリアに所在する仲介会社であれば情報を一番持っているでしょうし、いくらネットで空室検索できる状況になったとは言っても、未だに仲介会社に出向いて、担当者とお話をして、部屋を決める方もそれなりにいるためです。
例えば、東京駅付近に住もうと考えている方が新宿の不動産屋に出向くケースに比べて、東京駅周辺の不動産屋に出向くケースの方が多いです。空室対策を成功させるためには空室後早めに地場の不動産屋の協力を得ることが効果的です。
実際に、過去空室になった物件で、そのエリアで営業をしていない不動産屋に空室対策のお願いをしたことがあります。その仲介会社としても、レインズに載せて、客付け業者の協力を受けようとしていたのですが、2ヵ月内見すらない状況でした。その後、その物件の最寄駅周辺の不動産屋に入居者募集のお願いをしたところ、なんと1週間で次の入居者が決まってしまったのです。
そういった事例もあるので、入居者募集に関しては、解約通知を受けた後出来る限り早く、大家自身でそのエリアの仲介会社にお願いすることをお勧めします。
賃貸経営の空室対策で鍵を握るリフォームの手配
意外と抜けてしまうのがリフォームの手配です。
賃貸経営におけるリフォームでは、コストパフォーマンスが重要です。
出来る限り少ないコストで空室対策で効果のあるリフォームだけをしてもらうことです。
その為には、大家自身で複数の業者に相見積もりをとって、競わせるのが効果的です。
賃貸管理会社にリフォームの手配を丸投げすることもできますが、その場合通常のリフォームコストに賃貸管理会社の利益も上乗せされるので、その点理解した上で選択しましょう。
長年お付き合いのあるリフォーム業者がいるのであれば、その会社に最初からお願いするのもありです。
また、スケジュールの確認も抜けやすいのポイントです。
賃貸繁忙期にお願いするとリフォーム業者のスケジュールが1か月先まで埋まっているということもありますので、事前にどの程度の期間でリフォーム可能か?ということを確認しておきましょう。
コストパフォーマンスが良い会社であっても、1か月待たされてしまうとなると、入居開始日が遅れてしまうことになるので、スケジュール面も含めて最終的にお願いするリフォーム業者を決めるようにしましょう。
賃貸経営では解約通知受領後の空室対策初動が、空室対策の成功に大きな影響を及ぼします。賃貸経営の根幹とも言える空室対策で他の大家に差をつけるべく、初動こそ一番力を入れて行うようにしましょう。
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